海外FXはアービトラージ禁止!?手法と稼げない理由を解説

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海外FXでは、勝率の高い手法としてアービトラージが人気です。

アービトラージには複数の方法がありますが、手法によっては禁止されているものもあるので注意しなくてはいけません。

本記事では、海外FXのアービトラージのやり方や注意点について詳しく解説をしていきます。

海外FXのアービトラージとは

そもそもアービトラージとは、同じ通貨の価格差を狙った手法です。
さや取りや裁定取引とも呼ばれています。

FXでの例を見る前に、以下の例でアービトラージの詳細を見ていきましょう。

  • 日本で1本100円の水を買う
  • 海外で1本250円の水を買う

日本と海外では1本の水でも大きな価格差が生じるケースがあります。
日本の方が安く仕入れる可能性が高いですが、日本で水を多く購入して海外で売れば大きな利益が出る仕組みです。

  1. 日本で100円の水を100本購入→1万円で購入
  2. 日本で購入した水を海外で売る→2万5000円で売却

上記例では、1万円の仕入れに対して2万5000円で水を売ったので、1万5000円の利益が出ていることになります。

この内容をFXでのアービトラージに置き換えていきます。
FXでも同様で、同じ通貨であっても業者やプラットフォーム上で若干の価格差が生じます。

レート差を活かし、別々の場所から同じ通貨を安く買って高く売ることでFXでも容易に利益が出せる仕組みです。

この方法をアービトラージと呼び、FXにおいて効率的な手法とされています。

価格差を活かしたアービトラージ

アービトラージには複数の種類がありますが、為替の価格差を活かしたアービトラージが一般的とされています。

ドル円のレートを例に見ていきましょう。
以下は、FXCM社のMT4と、AXIORYのcTraderを同時刻に表示したものです。

  • FXCM:買い145.881、売り145.858
  • AXIORY:買い145.864、売り145.879

買い売りにはスプレッドも加算されていますが、若干のレート差が生じている事が分かります。

同じ通貨でも価格差が生じているので、この価格差を活かすことで差額を利益にできる仕組みです。

海外FXでは同じ通貨でも採用しているサーバーが異なることから、上記のような価格差が発生しやすいです。
どちらか一方の会社が遅れてレート更新されるため、価格を先読みしながら取引ができます。

また、同じ業者であったとしても、MT4・MT5・cTraderなどの異なるプラットフォーム上では一時的に価格差が生じるケースがあります。

スワップアービトラージ

アービトラージには、スワップを活かした方法もあります。
スワップとは、2国間の通貨で生じる金利差額です。

スワップは業者によって一定ではなく、業者間でスワップが高い会社もあれば低い会社もあります。

  • A社:買いスワップ100、売りスワップ-200
  • B社:買いスワップ300、売り-400

上記のように同じ通貨でもスワップに大きな差が生じるのはよくあるケースです。
A社では売りポジション(-200)、B社では買いポジション(300)を保有すると、差額で100ポイントのスワップが受け取れます。

同じ通貨の買いと売りの両方ポジションを保有する両建てをしているので、相場変動があったとしても値動きによる損失は生まれません。
低リスクでスワップ差額による利益が上げられる仕組みです。

ボーナスのアービトラージ

海外FXでは、会社によって豊富なボーナスを提供しています。
理論上ではボーナスを利用したアービトラージも可能です。

海外FXの口座開設や入金で受け取ったボーナスを活かして2社の海外FXを利用します。

ボーナスを使って同じ通貨の両建てを複数業者間で行うことで、自己資金の損失リスクを押さえて取引ができる仕組みです。

しかし、海外FXでボーナスを提供している会社では、ボーナスを活用したアービトラージを認めていません。
全ての会社で禁止されている行為なので、絶対にしないようにしましょう。

3通貨アービトラージ

アービトラージには、3通貨で行う3通貨アービトラージという手法もあります。

この手法は、3つの通貨の価格差で利益を出す少し複雑な手法です。

  1. 日本円を米ドルに換える(ドル円ロング)
  2. ドルをユーロに換える(EUR/USDショート)
  3. ユーロを日本円に換える(EUR/JPYロング)

上記のような手順通りに売買を行いますが、3通貨それぞれでの価格差が生じている場合でないと利益が出ません。

通貨それぞれのバランスを見ることが重要となるので、通常のアービトラージに比べると難しい手法と言えるでしょう。

複数業者間のアービトラージは禁止の会社が多い

アービトラージは、利益を出しやすい手法とも言われますがほとんどの会社では禁止されている傾向です。

前提として、ボーナスを活用したアービトラージは前業者で禁止となっており、口座凍結の要因になります。

また、本記事で紹介した価格差やスワップ目的のアービトラージもできない会社の方が多いです。

  • 1つの通貨を2業者間の価格差を狙って取引する
  • 1つの通貨でのスワップ差額を複数の業者を使って取引する

上記のように、アービトラージは複数業者間で両建てを行うことになります。

複数業者間での両建てを認めている会社は少ないため、必然的にアービトラージができなくなる仕組みです。

アービトラージを行う際は、業者間での両建てが禁止されていない会社を利用するようにしまししょう。

海外FXでアービトラージを行うメリット

海外FXでアービトラージを行う一番のメリットは、基本的にどの手法であっても損失を出しにくい点が挙げられます。

一般的なトレードでは、上昇・下落のどちらか一方に絞って取引を行いますが、アービトラージの場合は複数のポジションを保有します。

価格変動で損失を被ることがないため、極端にリスクを抑えた手法として認知されているのです。
価格差を利用しながら取引をするだけなので、利益を出しやすい手法とも言えるでしょう。

相場が大きく動かなくても関係ない

FXでは通常、相場の変動がないと大きな利益があげられません。

しかし、アービトラージの場合は相場変動に関係なく利益が見込めます。

そもそも、スワップや業者間での価格差は1円単位などの大きな差が生じるわけではありません。

数銭単位での価格差を活かすだけなので、保有するポジションのロット数を大きくすればするほど利益が見込めます。
トレンド相場・レンジ相場の発生に関係なく利益が見込める手法と言えるでしょう。

トレードの知識や経験が必要ない

アービトラージのメリットとして挙げられるのは、トレードの知識や経験が必要ないという点です。

通常FX取引では価格変動を予測して、テクニカル・ファンダメンタルズでの分析を行います。

アービトラージはあくまでも価格差を狙って取引することから、トレード初心者でも気軽に手を出せる手法です。

海外FXでアービトラージを行う人は少ない

初心者でも気軽に手が出せて、リスクも少ないアービトラージですが、実は海外FXで活用している人は少ない傾向にあります。

アービトラージで億トレーダーになりましたという事例はほとんど聞いたことがないでしょう。

多くの海外FX業者自体が複数業者間でのアービトラージを禁止していることが大きな要因ですが、容認している会社であっても活用している人は少ない傾向です。

それは、アービトラージはメリットが多い反面、デメリットも多い手法であるからと言えます。

海外FXでアービトラージを行った場合の、具体的なデメリットを詳しく見ていきましょう。

少額で利益を出すのが難しい

アービトラージは、少額投資で利益を出すのが難しい手法です。
業者間やスワップの全てで価格差が大きく生じるわけではないため、ある程度大きな証拠金が必要となります。

小ロットの投資では見込める利益額も低くなるので、海外FXを利用して行う人が少ないと言えるでしょう。

資金が少ない状態では、海外FX特有のハイレバレッジ取引を行ったとしても、見込める利益額はそこまで大きくないです。

通常通り分析を極めてトレードした方がはるかに効率が良いと言えます。

スプレッドが多く発生する

アービトラージは、前提として2つのポジションを保有する必要があります。
FXにおけるスプレッドは、買いと売りの両方で発生するものなので、2つのポジションを保有する=スプレッドも2倍になってしまいます。

また、3通貨アービトラージを行う場合であれば、3ポジションのスプレッドが発生し、ポジション保有中は常にスプレッド分の損失が生まれている状態です。

スプレッドは通貨によって異なりますが、海外FXは国内FXに比べてスプレッドが広いので、アービトラージに不向きであると言えます。

常に価格のチェックをしなければならない

アービトラージでは、価格変動ではなく価格差を見越して取引をするので、常にレートチェックをしておく必要があります。
価格差は常に発生しているわけではありません。

レートをチェックして価格差が生じたポイントで決済をしますが、集中してチェックしておかないと、決済のタイミングを逃す可能性があります。

通常のFX取引でもスキャルピングという短期売買手法では価格変動を一定時間チェックしますが、見込める利益の大きさを考えるとスキャルピングの方が遥かに効率的と言えるでしょう。

ロスカットされる可能性がある

アービトラージは損失を出すリスクが低い手法ですが、必ずしも損が出ないわけではありません。

  • Aポジション:USD/JPYロング(買い)
  • Bポジション:USD/JPYショート(売り)

上記のように2つのポジションを保有して、USD/JPYで大きな上昇トレンドが発生したとします。

すると、Bポジションの証拠金維持率が大きく下がり、価格差を狙って決済する前にロスカットされる可能性があるのです。

充分な証拠金維持率が必要となるため、必然的に多くのトレード資金が必須となる手法とも言えます。

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